大判例

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名古屋高等裁判所 昭和29年(う)320号 判決

原審において、弁護人は、被告人が自首したことを主張し、これが証拠とするため、証人長谷川某の証拠調請求を為したところ、原審がこれを却下したことは、所論の通りであるが、被告人は、原審公判廷において、「私の主人が、私が盗んだことをうすうす知つていたらしく、小さいことであるから放つておくといつたので、自責の念に堪えかね、夜派出所へ行つたところ、忙しいから明日にしてくれといわれ、翌日昼間働いていたところ、司法巡査が呼びに来て取り調べを受け、自白した」との旨を供述しているところを見れば、被告人は捜査機関に犯罪が発覚しない前に、本件犯罪事実全部を進んで自白したのでなく、被告人が何等か犯罪を犯したことを捜査機関にほのめかしたので、取り調べが開始され、その結果、被告人が自白するに至つたことが明らかに認められる。かかる被告人の行為は、自首とは、認め難い。

(後略)

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